『初めて配属された総務部。前任者は定年後再雇用で週三日しか出勤しない。だれに聞いたら良いのかわからない…』責任を一人で抱えて、立ちすくんだことはありませんか?
『今までは会社に勤めていた。分からないことは先輩にすぐ聞けた。事務手続きは人事総務がしてくれた。
今回、独立した。仕事はできる。じゃあ経営は何をすればいいのか?役所に許可は要るのか?届出は要るのか?資金繰りは?確定申告は?…
資格を持ってる専門家は、検索したらたくさん出てくる。でもどの専門家に聞けばいいのかが分からない。この不安を、気軽に聞けて解消してくれる、そんな人はどこにいるのか?』
「どっちへ行ったらいいのか分からない」そんな時に助けてくれたのは、一番身近な方でした。
僕は平成10年4月に、新卒でこの事務所に入所しました。行政書士の仕事も初めてなら、社会人としても初めてで、分からないことばかりでした。
そんな中、僕を育ててくださったのは、たくさんの経営者・事業主の方、たくさんのベテラン総務の方でした。
経営状況分析で、兼業事業売上原価報告書を作成するのに、棚卸も、仕入と材料の違いも分からない僕でした。受取手形割引残高を示すのに、税務申告書の別表十一(一)が必要になった時、しつこくその資料を求める僕に、「この用紙は、(残高が)なければ作成する必要がないんだよ」と諭してくれました。
ある社長さんは「僕は電気工事会社に勤務していたが、勤務しているときの手取りと、請負をするときの手取りが、変わらなかったから独立した」と、創業なさった時のことを話してくださいました。
お客様が、会社合併、会社分割をなさる。そのあとの経審は、当事者両社の資料を取りまとめるのに困難を極めます。その時も、総務担当の方、経理担当の方、営業担当の方、会社の法務部門の方また会計事務所の方が、何もわからない僕に、丁寧に教えてくださいました。また、大阪府の建築振興課の方も、長時間相談に答えてくださり、大変お世話になりました。
入所から16年経ち、僕の入社した頃からお世話になっている方々は、60歳近くになりました。
経営者は後継の方に変わりつつあります。また、ベテラン総務の方は定年退職を迎えます。
そして新たに、経営者また総務担当者になられた方は、ほとんどが30歳代の方でした。
僕と同じ年代で事業の重責を担われる。その姿を見て、僕も身の引き締まる思いです。
「育ててくださった先輩方、本当にありがとうございました。先輩から教えて頂いたことを基に、今度は僕がお役に立たせて頂きたい」という思いで僕は今、お仕事をさせて頂いております。
皆様とご縁を頂けることを、心よりお待ちしております。
副所長 行政書士 小中恵介