2014/11/02
国土交通省では、平成19年6月に、建設企業が遵守すべき元請負人と下請負人の取引のルールとして「建設業法令遵守ガイドライン-元請負人と下請負人の関係に係る留意点-」(以下「ガイドライン」という。)を策定し、その周知に努めてこられたそうです。
今回、このガイドラインを改訂し、建設工事の下請契約において労働災害防止対策の実施者及びその経費の負担者の区分を明確化することにより、建設工事現場における労働災害防止に対する元請下請間の意識の向上と共有を図ることとされました。
「改訂の概要」
次の事項について明確化
① 下請負人が労働災害防止対策を講ずることに要する経費は、義務的に負担しなければならない費用であり、「通常必要と認められる原価」に含まれるものであること
② 元請負人は、見積条件の提示の際 労働災害防止対策の実施者及びその経費の負担者の区分を明確化すること
③ 下請負人は、元請負人により明確化された労働災害防止対策の実施者とその経費の負担者の区分を踏まえ、適正に労働災害防止対策に要する経費を見積ったうえ、見積書に明示すべきこと
④ 元請負人は、労働災害防止対策経費が明示された見積書を尊重し、下請負人と対等な契約交渉を行うこと
⑤ 元請負人と下請負人は、契約書面の施工条件等に、労働災害防止対策の実施者及びその経費の負担者の区分を明確化すること
⑥ 下請負人が負担しなければならない労働災害防止対策に要する経費は、施工上必要な経費と切り離し難いものを除き、契約書面の内訳書などに明示することが必要
⑦ 下請負人の見積書に、適正な労働災害防止対策に要する経費が明示されているにも関わらず、当該経費を一方的に削減したり、当該経費相当額を含めない金額で請負契約を締結し、「通常必要と認められる原価」に満たない金額となる場合には、建設業法第19条の3の不当に低い請負代金の禁止に違反するおそれがあること
⑧ あらかじめ見積条件や契約書面に、下請負人の負担であることを明示していないにも関わらず、元請負人が、下請負人と合意することなく、一方的に提供・貸与した安全衛生保護具等の費用を下請代金の支払時に差し引く行為は、「赤伝処理」に該当し、建設業法第19条、第20条第3項等に違反すること