2014/11/30
(5)建設工事標準下請契約約款又はこれに準拠した内容を持つ契約書による契約が基本
建設業法第18条では、「建設工事の請負契約の当事者は、各々の対等な立場における合意に基づいて公正な契約を締結し、信義に従って誠実にこれを履行しなければならない」と規定している。建設工事の下請契約の締結に当たっては、同条の趣旨を踏まえ、建設工事標準下請契約約款又はこれに準拠した内容を持つ契約書による契約を締結することが基本である。
(6)片務的な内容による契約は、建設業法上不適当
元請負人と下請負人の双方の義務であるべきところを下請負人に一方的に義務を課すものや、元請負人の裁量の範囲が大きく、下請負人に過大な負担を課す内容など、建設工事標準下請契約約款に比べて片務的な内容による契約については、結果として建設業法第19条の3により禁止される不当に低い請負代金(12ページ「3.不当に低い請負代金」参照)につながる可能性が高い契約となるので、適当ではない。
また、発注者と元請負人の関係において、例えば、発注者が契約変更に応じないことを理由として、下請負人の責めに帰すべき理由がないにもかかわらず、下請負人に追加工事等の費用を負担させることは、元請負人としての責任を果たしているとはいえず、元請負人は発注者に対して発注者が契約変更等、適切な対応をとるよう働きかけを行うことが望ましい。