2014/08/13
今回から数回にわたって、監理技術者制度運用マニュアルの内容をご紹介します。
二 監理技術者等の設置
2-3 監理技術者等の職務
監理技術者等の職務は、建設工事の適正な施工を確保する観点から、当該工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどることである。すなわち、建設工事の施工に当たり、施工内容、工程、技術的事項、契約書及び設計図書の内容を把握したうえで、その施工計画を作成し、工事全体の工程の把握、工程変更への適切な対応等具体的な工事の工程管理、品質確保の体制整備、検査及び試験の実施等及び工事目的物、工事仮設物、工事用資材等の品質管理を行うとともに、当該建設工事の施工に従事する者の技術上の指導監督を行うことである(法第二十六条の三第一項)。
特に、監理技術者は、建設工事の施工に当たり外注する工事が多い場合に、当該建設工事の施工を担当するすべての専門工事業者等を適切に指導監督するという総合的な役割を果たすものであり、工事の施工に関する総合的な企画、指導等の職務がとりわけ重視されるため、より高度な技術力が必要である。
また、工事現場における建設工事の施工に従事する者は、監理技術者等がその職務として行う指導に従わなければならない(法第二十六条の三第二項)。
なお、監理技術者等が、同じ建設業者に所属する他の技術者を活用しながら監理技術者等としての職務を遂行する場合には、監理技術者等を補佐するこれらの他の技術者の職務を総合的に掌握するとともに指導監督する必要がある。この場合において、適正な施工を確保する観点から、個々の技術者の職務分担を明確にしておく必要があり、発注者から請求があった場合は、その職務分担等について、発注者に説明することが重要である。
現場代理人は、請負契約の的確な履行を確保するため、工事現場の取締りのほか、工事の施工及び契約関係事務に関する一切の事項を処理するものとして工事現場に置かれる請負者の代理人であり、監理技術者等との密接な連携が適正な施工を確保する上で必要不可欠である。なお、監理技術者と現場代理人はこれを兼ねることができる(公共工事標準請負契約約款第十条)。
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監理技術者制度運用マニュアル(16)|小中恵介ブログ|行政書士 日本建推事務所